2024年2月1日木曜日

  Napの考えること2024(その137)「歌うたい」


能登半島地震の被災者の皆様に心よりのお見舞いを申し上げます。

つい先日のテレビで年配のご夫婦がインタビューに答えた言葉は、「水がなくてもやはりここに住みたい」でした。緊急避難先に一旦移住して生活している彼らには、”ひとはパンのみにて生くるものにあらず”ということなのでしょう。


大きな災害があるたびにきっと皆様も深く考えることが多いことと思います。一日も早く被災地の方々が日常生活を取り戻すことを切に祈ります。


今年の元日からのことゆえ、Napでも2024年一月の通常ライブは、微力ながらチャリティも兼ねたライブとしておりました。改めて、皆様のたくさんのお心に感謝申し上げます。(Nap公式サイトにて募金のご報告をさせていただきます。)


さて、Napは日吉時代から数えると、23年目に入っています。そんなこともあり、出演者の中には、今年が子供が受験です、とか、あれから結婚して子供が生まれました、等々聞くことも多くなりました。


よく曲を例える話に、オリジナル曲も自分の子供のようなもの、なんてことがあります。確かにそんな気持ち分かります。僕もつい贔屓目に自分の曲を評価しがちになります。特に若い頃は。しかしだんだんと、キャリアを積むごとに、自分の曲も冷静に判断できるようになりました(苦笑)。


そうすると、自分が作った曲群の中で自然と、ヒエラルキーのようなものが出来上がってきて、ほぼ今は歌わない(歌えない?)、という作品がちらほら出てきます。


そんな歌をたまにノートから出してきて、部屋で歌ってみたりすると、あっと言う間にその頃の拙く苦(にが)い?自分の心象風景のようなものが見えてきて、若い頃の自分へ思わずエールを送りたくなるような、なんとも言えない不思議な心持ちになります。


きっと歌い手の方は同じ経験をされることがあるかと、想像いたしますが・・・。


人はそのように、日々の暮らしの中での心象風景を現実の風景や匂いや歌に刻んでいくものです。そして「歌うたい」は、それを自分の曲に感じることがあるから、タイムマシーンを持っているのと同じかもしれませんね。


広い世の中、いろんな目的を持つ「歌うたい」がいます。でも一番持ち続けたいことは、好きだから歌い続ける、という気持ちだと僕は思っています。使い古された言葉ですが、「音を楽しむ」、と書いてこその音楽ですから!


さあて、もう2024年も二月に入ります。地球は人間の力ではどうにもならないことを思い知った年初めでした。それでも地にしっかり足をつけて日々過ごせたらと、自分自身をも励ましつつ、歩んでいきたいものです。


ぜひお時間が許す限り、Napにも足を運んでくだされば幸いです。アマチュアならではの世界をきっと楽しめるはずです。新しい出演者も募集中です!!引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。

2024.2.1 早く春よ来い!!!! Nap代表 竹村龍彦


2023年12月31日日曜日

 Napの考えること2023(その136)「音楽も二刀流」


2023年も今日で終わり、午前零時を過ぎたらもう2024年です。良いお年をお迎えください!!


コロナが明け、やっと平常に戻りつつあります。ライブもほぼ通常通りに行われ、国内外共にミュージシャンの活動も賑やかになってきましたね。


いつだったか、Napに知り合いのライブを観に来た、某ミュージシャンが帰り際にふと、「なんだか曲を書きたくなったなー!」と言いました。


常々、思うのですが、誰かのライブを観て、「ライブをやりたくなったなあ」とか、「ギター(またはピアノ)を弾きたくなったなあ」なんて声を聞く日は、その日のライブは、素敵なパフォーマンスが繰り広げられた一日だったんだなあ、と思います。


同じライブは二度と出来ません。それがライブの醍醐味でもあります。たとえ同じ曲を演奏したとしても、その日だけの、その歌の味付けがあって、違う色の歌心や情景が浮かんだりするものです。


そんな演奏ができるミュージシャンは、その日までの準備の中身が濃厚なのだと想像します。


大リーグの大谷選手じゃないですが、人の何倍もの練習量と準備とがあってこそのパフォーマンスが生みだされる。音楽の世界(どの世界も)もそれは同じなのでしょう。


考えてみたら、シンガーソングライターも二刀流ですね。曲を作ること、そしてアレンジを考えて演奏し歌う。この両方のクオリティが合わさらないと音楽力は増しません。


そしてそれがリスナーにドンピシャでうまく届いた時、音楽の魔法である幸福感を与えることだってある!


さて、今年も今日が最後の日となりました。来年も音楽を自由に楽しめる日々がありますようにと祈ります。


今年も大変お世話になりました。そして来る2024年が皆様にとって平和な一年でありますように!!

2023元旦 白楽Nap竹村・新山

2023年12月15日金曜日

  Napの考えること2023(その135)「自由さ」



Napの通常ライブでは毎月テーマがあって、少し前ですが、10月は、「Memories」でした。そこで、僕もライブを演る機会があったので、せっかくだからと昔の曲から最近の曲まで時系列に練習してみました。


そこで感じたのは、10代の頃はやはり恋愛ものが中心で、20代の頃は時代性を感じるもの、30代はそれまでになかった作風にもチャレンジ、それ以降は抒情詩的なものや内省的なものもちらほら。


音楽的キャリアを積むことで、ミュージシャンの多くは似たような軌跡を辿っているのかもしれない。そうやって改めて古い曲から新しい曲の移り変わりを眺めるのも面白いものでした。


僕が好きな洋楽のミュージシャンの多くは、身の回りに起きていることをそのまま歌にする、というパターンが意外に多い。なかなかリアルなことを題材にするのはむつかしいことに思えるが。


僕の好きなエイミーワインハウス、というミュージシャンもそのタイプで、あるヒット曲などは、あまりに心の傷をそのまま描きすぎたため、ステージで歌うたびに、その時の苦しみがリアルに浮かび体調を崩すほどだったそうだ。


だからこその、曲のインパクトなんだと思うが、それは、身を削るように作品を作るタイプのアーティストの宿命かもしれない。


ビートルズはその点、いつでも自由に題材を選んで、自分たちの殻を破り続けていたように思う。曲作りも然り。もうなんでもあれ、と言う感じだ。


ジョンとポールという才能溢れる二人が存在したこのバンドが生むヒット作の数々。そのすべてに、「自由さ」が中心にあった。それがいまでも新鮮な驚きを与え続けている原因かもしれない。


さてさて。2023年も僅かとなりました。これまでの人類の脅威であった新型コロナの戦いで、まるで世界は一つになったようにさえ思えましたが・・・、また世界は元の混沌としたものとなり、さらに新たな亀裂をつくり出しているようでもあります。


一方、この日本は平和な様相(いろんなことはありますが・・・)で、やっと平常に音楽も奏でられる状況になったと言えます。このような日々が長く続くことを祈るばかりです。


Napも年末に向って精進したく存じます。皆様もどうかご自愛ください!!!

引き続きよろしくお願い申し上げます。

2023.12.15 白楽Nap代表 竹村龍彦

2023年5月30日火曜日

 Napの考えること2023(その134)「音楽魂」



メロディと詞を組み合わせ出来上がる歌。その歌に対する愛しさは当然ながら自分自身が一番強い。その分、自分の歌を客観的に評価するのは難しい。


現にリスナーに受ける歌が予想外な曲ということもあるし、自信を持って歌った曲が全く評価されない、ということもある。


しかしそんな自分でも他人の歌は冷静に聞き取れる。大衆の評価と大きな隔たりもなく評価できる。なのに自作の歌に耳を向ける途端にそれは変わってしまう。


それはなぜか。やはり自分自身が産んだ作品だから。このことが実は僕自身一番分かっているようで分かっていない。


世間で売れている歌の数々をよく聴けばとても単純なことだと分かる。親しみやすいメロディ、心に響く歌声、愛や希望のスパイスを感じさせる歌詞。決して一人よがりではなく、誰かに寄り添い、メッセージのある歌。そんな曲が多い。


だが、これを頭に入れて歌作りができるなら、職業作家になれるわけで、言ってみれば、シンガーソングライターの特権である自由さが失われてしまう。


だから巷のライブハウスのステージに立つアマチュアミュージシャンの歌は「個性はあれど、一般大衆受けする歌が少ない」。そんな捉え方もあるにはある。


では、なぜそれでも人前で彼ら(僕も)は歌おうとするのか。


それは歌をつくっているから。ギターやピアノを弾いて自作の曲を歌うこと自体が自分の存在意義でもあるから。


例えるならそれは箱庭療法も似て、世俗的な毎日から離れて自分を解放する方法としての側面がある。


作品の良し悪しより、自分の作りたかったものが完成できたか、出来なかったか。その判断の方が少し上回ってしまうのではないか。


仮にここにそれなりの集客があるミュージシャンがいるとしよう。


彼らは常にリスナーを意識している。自分の音楽に彼らは何を求めているか。自分たちの歌のどんなところが入れられているか。そのためのアンテナをいつも高く上げ、キャッチしようとしている。


そしてそんなキャッチボールを楽しみつつ、音楽での生業のために奮闘している。そんな風に僕には見える。


一方、あえて僕自身のことを言えば、第一には、自分が目指す音楽的地平線の先を見たい。それが一番の目標であり、その立ち位置で音楽を生業にできるのなら幸せだと考えてきた。


巷の大小様々なライブハウスで歌っているミュージシャン。みんな百人百様の考えや目標を持って活動している。多くのSNSで発信している内容も様々だし、何にフォーカスするかも自由な時代。


だからこそ、なぜ自分も今もまだ音楽を作り歌うのか。そんなことをもう一度考えてみたい。そう思う今日この頃です。


前置きが長くなり恐縮です。


あっという間に六月がやってきますね。三月半ばから世の中が少しずつ平常の姿に戻ってきました。この約三年間の空白の様な時間が与えた影響は物質的、精神的、その全てに大きなインパクトを与えたと感じます。


今はリハビリのごとく、一歩一歩、前に進めたならOKかなと考え、焦らずに、地道に、初心に返り、できることだけに目を向け、精進したいと思います。


東横線白楽にある小さなアコースティック専門の小さなハコですが、アマチュアミュージシャンの「音楽魂」が宿るお店として認知されることを願います。こらからもよろしくお願い申し上げます。


2023年5月30日 曇り空の上の太陽の輝きを望みつつ。白楽Nap代表 竹村龍彦


2023年1月11日水曜日

 Napの考えること2023(その133)「誰かの心を」



新しい年も明け、少しずつ日常に戻りつつあります。2023年になったからといって急に何かが変わった訳ではありませんが、でも新しい気持ちで何かを始めたくなる時期でもありますね。


こうやって一年を区切ることは、良いことだなあと考えたりします。個人的には、この正月は久しぶりに穏やかな気持ちで過ごしました。


それはきっと、仕事がまだわずかばかりではあるけれど、次の年に向けて少しずつ動いていることを心に感じていたからかもしれません。


一昨年のお正月は、この先果たしてどうなる? などと頭をよぎることが多かったので、そこのところが一番の違いなのでしょう。


とは言え、感染者は増大していますし、戦争は続いているし、物価高やあれやこれやと気になることは多々あります。それでも去年よりもさらなる希望を持って進めたらと思います。


三年目に突入した「白楽Nap」が、自分が音楽によって救われたように、知らない誰かの心をそっとあたため、そして励ますような音楽が奏でられる場所となりますように!!!

今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。


2023.1/11 空気は澄み、凛とした冬空に。白楽Nap代表 竹村龍彦


2022年11月16日水曜日

 Napの考えること2022(その132)「明日の風」



来月、12月でここ白楽に移転して二周年となる。この間、ほぼ通常営業ができずにきましたが、それでも続けられたのは、「日吉Nap」時代から出演していただいているアーティストやお客様、そしてまたこの新しい場所、「白楽Nap」で出会えた新人アーティストたちに恵まれてきたからだと改めて感謝申し上げます。


年末に向かい、来年のイベントやブッキングなどこれまでにない動きが活発に見え始め、ほんとうの意味で仕事が走り出すのだな、と思っていた矢先、とうとうスタッフがコロナに感染してしまいました。


スタッフと言っても共同経営者であり、当然に僕は濃厚接触者になるため待機日数が課せられます。


悩みました。近々にはソールドアウトになった新しいご縁によって開催されるイベントが決まっているし、ブッキングライブもあるし、そしてまた、すでに予約の申し出も数名あるオープンマイクが続く週なのに・・・、と。


そして二人でいろいろ思案しました。


何か方法がないか、どうすればベストか。二人ともワクチンは4回目まで接種済みで、僕の方は、まだ何も症状がなく、抗原検査を二日やって問題なければ最小日数で復帰できると規定にあるな。それならば! とも考えました。


しかし、自分がお客さんなら? と考えてみたらやはり答えは一つだけでした。


思えば、「日吉Nap」時代のあのコロナ禍で運営が立ち行かなくなった時も同じような気持ちの交錯があったことを思いだしました。


自分を守ることばかりを考え、相手側のことを後回しに考えてしまう自分。そうこう思案して、その方策が生まれ、僅かな光が見えだす頃、「いや待てよ!」と、やっと、もう一人の自分が遅まきながら、声を上げる。


「迷った時は損の道を選べ」と尊敬する小説家の方はよく書いていました。真理の言葉だと思います。


とは申しましても、現実にたくさんの方にご迷惑をおかけすることになりました。関係者の皆様には心よりお詫び申し上げます。ほんとうに申し訳ありません。


代理スタッフがいない現在の「白楽Nap」のリスクを痛感しております。しかし運営上、しばらくはこの体制であることに変わりないことも事実です。


皆様には言い訳もできませんが、できる範囲での運営に力を今後とも入れる所存です。何卒ご理解いただきまして、これからもご縁があることを願っております。




さて、末筆となり誠に恐縮ですが、主題の「明日の風」のお話です。


やっと新しい配信アルバム「明日の風」が11/20に配信開始となります!!


配信アルバム通算6枚目となる最新作、「明日の風」の収録アーティストはこれまで複数回参加している方ばかりです。そんなこともあって今回のレコーディングにあたっては、皆さん新しいアプローチで挑んでいたようです。


レコーディングならではのオーバーダビングにも果敢に挑戦もし、かつ個性的な試行も重ねることで、これまでよりもっと楽曲に奥行きを持たせる仕上がりになりました。ぜひご期待ください!


すでにNapの公式youtubeチャンネルでアップしている、PVもお楽しみくださると嬉しいです。近々にはダイジェスト版もアップする予定です。


とにもかくにも、外に発信することで音楽は一つの着地点を持つと思います。


それは、「種が地に落ちてこそ花が咲く」と同じかもしれません。ですので、これからもNapは、いろんな形でこれからもトライしていきたいと考えております。


毎日様々なことに翻弄され試されているようなこの数年に感じます。ですが、やはり音楽だけは常に純粋に楽しみたいと思います。


ぜひ新しいコンピレーションアルバム「明日の風」にご注目ください。11/20配信開始です!アルバム全体で18曲。1曲150円から、アルバムでは¥2.000で丸ごと聴けます。大変お得ですよ(笑笑)!!


皆様もコロナ感染にはくれぐれもお気をつけください。そして新しい年に向けてどうかご自愛くださいませ。


2022.11/16 僕は元気です。太陽が眩しい昼下がりに。白楽Nap代表 竹村龍彦


2022年9月29日木曜日

  Napの考えること2022(その131)「音楽こそすべて」



Napのコンピレーションアルバム「Colorful」が7月に無事配信され、早、次作「明日の風」の制作も始まりました!!


コロナ禍でミュージシャン達も引き籠らざる得ない「日吉Nap」時代から制作を再開し始めた、シリーズ第6弾です。ぜひこちらもご期待ください。


音楽を記録に残す意味には大きく二つあるかなと思います。一つは外の世界へ放たれるということ。そしてもう一つは音楽における自分史が刻まれる、ということ。そのことが自分の音楽の次へのステップとなったり、新しい課題が見えてくることもあります。


そして、何より曲づくりで格闘することは、人生での格闘よりずっと楽しいはずです(笑笑)。これも日本が平和だからこそと言えることですが。


まだまだ新型ウィルスの脅威は消えたわけではありませんが、白楽に移転した「Nap」にも徐々ではあるが新規のイベントの申し出も増えてきました。感謝です。


音楽は今も昔も、常にその時代時代、その瞬間、瞬間を色濃く刻んで、まるで、ICチップにデータを蓄積するみたいに、人の心に確かな記憶として残す。その不思議をいつも思います。


心ふるわす出来事も心塞ぎ込みそうな出来事も、音楽というオブラートに包まれると、なぜかすべてが愛しいものになる。それが何よりも音楽が持つ大きな力であり、魅力でもあるのだなあ、と感じます。


まだまだ気の休まらない毎日が続く日々(世界中が)ではありますが、こんな時代だからこそ、しっかりと自分の足下を見てブレずに歩みたいと考えます。


日吉から白楽に移転して今年の12月、2年目を迎える「白楽Nap」。少しずつですがこの地で新たに形作られていくことを願っています。


これから冬に向けて寒さも増してきそうな時期ですね。皆様もどうぞご自愛くださいませ。そして音楽をこれからもご一緒にもっと楽しみましょう!!!

2022.9/29(thu) 日毎、秋めいた空も広がる涼しい朝に。白楽Nap竹村龍彦