2023年1月11日水曜日

 Napの考えること2023(その133)「誰かの心を」



新しい年も明け、少しずつ日常に戻りつつあります。2023年になったからといって急に何かが変わった訳ではありませんが、でも新しい気持ちで何かを始めたくなる時期でもありますね。


こうやって一年を区切ることは、良いことだなあと考えたりします。個人的には、この正月は久しぶりに穏やかな気持ちで過ごしました。


それはきっと、仕事がまだわずかばかりではあるけれど、次の年に向けて少しずつ動いていることを心に感じていたからかもしれません。


一昨年のお正月は、この先果たしてどうなる? などと頭をよぎることが多かったので、そこのところが一番の違いなのでしょう。


とは言え、感染者は増大していますし、戦争は続いているし、物価高やあれやこれやと気になることは多々あります。それでも去年よりもさらなる希望を持って進めたらと思います。


三年目に突入した「白楽Nap」が、自分が音楽によって救われたように、知らない誰かの心をそっとあたため、そして励ますような音楽が奏でられる場所となりますように!!!

今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。


2023.1/11 空気は澄み、凛とした冬空に。白楽Nap代表 竹村龍彦


2022年11月16日水曜日

 Napの考えること2022(その132)「明日の風」



来月、12月でここ白楽に移転して二周年となる。この間、ほぼ通常営業ができずにきましたが、それでも続けられたのは、「日吉Nap」時代から出演していただいているアーティストやお客様、そしてまたこの新しい場所、「白楽Nap」で出会えた新人アーティストたちに恵まれてきたからだと改めて感謝申し上げます。


年末に向かい、来年のイベントやブッキングなどこれまでにない動きが活発に見え始め、ほんとうの意味で仕事が走り出すのだな、と思っていた矢先、とうとうスタッフがコロナに感染してしまいました。


スタッフと言っても共同経営者であり、当然に僕は濃厚接触者になるため待機日数が課せられます。


悩みました。近々にはソールドアウトになった新しいご縁によって開催されるイベントが決まっているし、ブッキングライブもあるし、そしてまた、すでに予約の申し出も数名あるオープンマイクが続く週なのに・・・、と。


そして二人でいろいろ思案しました。


何か方法がないか、どうすればベストか。二人ともワクチンは4回目まで接種済みで、僕の方は、まだ何も症状がなく、抗原検査を二日やって問題なければ最小日数で復帰できると規定にあるな。それならば! とも考えました。


しかし、自分がお客さんなら? と考えてみたらやはり答えは一つだけでした。


思えば、「日吉Nap」時代のあのコロナ禍で運営が立ち行かなくなった時も同じような気持ちの交錯があったことを思いだしました。


自分を守ることばかりを考え、相手側のことを後回しに考えてしまう自分。そうこう思案して、その方策が生まれ、僅かな光が見えだす頃、「いや待てよ!」と、やっと、もう一人の自分が遅まきながら、声を上げる。


「迷った時は損の道を選べ」と尊敬する小説家の方はよく書いていました。真理の言葉だと思います。


とは申しましても、現実にたくさんの方にご迷惑をおかけすることになりました。関係者の皆様には心よりお詫び申し上げます。ほんとうに申し訳ありません。


代理スタッフがいない現在の「白楽Nap」のリスクを痛感しております。しかし運営上、しばらくはこの体制であることに変わりないことも事実です。


皆様には言い訳もできませんが、できる範囲での運営に力を今後とも入れる所存です。何卒ご理解いただきまして、これからもご縁があることを願っております。




さて、末筆となり誠に恐縮ですが、主題の「明日の風」のお話です。


やっと新しい配信アルバム「明日の風」が11/20に配信開始となります!!


配信アルバム通算6枚目となる最新作、「明日の風」の収録アーティストはこれまで複数回参加している方ばかりです。そんなこともあって今回のレコーディングにあたっては、皆さん新しいアプローチで挑んでいたようです。


レコーディングならではのオーバーダビングにも果敢に挑戦もし、かつ個性的な試行も重ねることで、これまでよりもっと楽曲に奥行きを持たせる仕上がりになりました。ぜひご期待ください!


すでにNapの公式youtubeチャンネルでアップしている、PVもお楽しみくださると嬉しいです。近々にはダイジェスト版もアップする予定です。


とにもかくにも、外に発信することで音楽は一つの着地点を持つと思います。


それは、「種が地に落ちてこそ花が咲く」と同じかもしれません。ですので、これからもNapは、いろんな形でこれからもトライしていきたいと考えております。


毎日様々なことに翻弄され試されているようなこの数年に感じます。ですが、やはり音楽だけは常に純粋に楽しみたいと思います。


ぜひ新しいコンピレーションアルバム「明日の風」にご注目ください。11/20配信開始です!アルバム全体で18曲。1曲150円から、アルバムでは¥2.000で丸ごと聴けます。大変お得ですよ(笑笑)!!


皆様もコロナ感染にはくれぐれもお気をつけください。そして新しい年に向けてどうかご自愛くださいませ。


2022.11/16 僕は元気です。太陽が眩しい昼下がりに。白楽Nap代表 竹村龍彦


2022年9月29日木曜日

  Napの考えること2022(その131)「音楽こそすべて」



Napのコンピレーションアルバム「Colorful」が7月に無事配信され、早、次作「明日の風」の制作も始まりました!!


コロナ禍でミュージシャン達も引き籠らざる得ない「日吉Nap」時代から制作を再開し始めた、シリーズ第6弾です。ぜひこちらもご期待ください。


音楽を記録に残す意味には大きく二つあるかなと思います。一つは外の世界へ放たれるということ。そしてもう一つは音楽における自分史が刻まれる、ということ。そのことが自分の音楽の次へのステップとなったり、新しい課題が見えてくることもあります。


そして、何より曲づくりで格闘することは、人生での格闘よりずっと楽しいはずです(笑笑)。これも日本が平和だからこそと言えることですが。


まだまだ新型ウィルスの脅威は消えたわけではありませんが、白楽に移転した「Nap」にも徐々ではあるが新規のイベントの申し出も増えてきました。感謝です。


音楽は今も昔も、常にその時代時代、その瞬間、瞬間を色濃く刻んで、まるで、ICチップにデータを蓄積するみたいに、人の心に確かな記憶として残す。その不思議をいつも思います。


心振るわす出来事も塞ぎ込みそうな出来事も、音楽というオブラートに包まれると、なぜかすべてが愛しいものになる。それが何よりも音楽が持つ大きな力であり、魅力でもあるのだなあ、と感じます。


まだまだ気の休まらない毎日が続く日々(世界中が)ではありますが、こんな時代だからこそ、しっかりと自分の足下を見てブレずに歩みたいと考えます。


日吉から白楽に移転して今年の12月、2年目を迎える「白楽Nap」。少しずつですがこの地で新たに形作られていくことを願っています。


これから冬に向けて寒さも増してきそうな時期ですね。皆様もどうぞご自愛くださいませ。そして音楽をこれからもご一緒にもっと楽しみましょう!!!

2022.9/29(thu) 日毎、秋めいた空も広がる涼しい朝に。白楽Nap竹村龍彦


2022年6月19日日曜日

 Napの考えること2022(その130)「Colorful」



とにかくなんでも手軽に早く安く、且つクオリティも損なわないものが価値あるものとするのが現代。音楽も然り。僕も事務仕事をする時はもっぱら某〇〇ミュージックで思い付いたアーティストを検索してBGMにしている。レコードやCDならこうはいかないから、ほんとに便利な世の中になったなぁと思う。


先日、娘が家に来た時、僕の部屋にある古いカセットテープを見つけて聞いていた。それは小さかった頃の娘が習い始めたばかりの頃に弾いたピアノの音で、懐かしく感慨深く聞いたらしい。


今じゃカセットデッキやMDデッキはマニアの間でくらいしか使わないかもしれないがスマホのない時代の手軽な録音には必須アイテムだった。おかげで今もたくさんのカセットテープやMDが部屋の隅の棚にぎっしり詰まっている。


しかし録音ソースのことで言えば、アナログからデジタルに移行しても音のクオリティーは良くなったが、マイクを立てたり、編集したりの手間隙はいまもそんなには変わりはしない。


僕は最初、中学の時に7歳上の兄貴から譲ってもらった2trアナログ1/2インチのオープンリールデッキで多重録音を始めた。それから次にダブルカセットデッキ、4trマルチ、8trマルチ、デジタル24CH、そしてDTMでの無限のトラック録音ができる現在までそれは続いている。


だからもう数えきれないほどの音源が手元にある。それらを今聴いてみると確かに時代の音を感じる。当時流行ったドラムやシンセのサンプラー音源の音がその時代性を彩っている。


その点、ギターの弾き語りそのものの音には古いも新しいもない。だからアコギの音やシンプルなバンド構成の音に一層の魅力を感じてしまう。


デジタルの完成された音も刺激があって面白いけれど、結局なんとなく爪弾くアコギの音に癒されてしまう。考えてみるとここ最近はアコースティックサウンドをフィーチャーしたヒット曲が少ないように思う。これも時代なのかもしれない。


でも確実に僕のような人間も多くいるはずなので、好きな音を探究して記録に残していけたら楽しいと思うので、相変わらずNapはアコースティックにこだわっていきたいと考えるのです。


さて、もう5枚目となる、新しいコンピレーションアルバム「Colorful」もいよいよ、2022年7月30日に公式に配信する予定です。


しばしお待ちください。そしてぜひ期待してください。たくさんの方にダウンロードしてもらえるようなアルバムを目指し鋭意制作中です。引き続きよろしくお願い申し上げます!!!

2022.6/19 夏らしい風が吹く朝に。白楽Nap竹村龍彦


2022年2月27日日曜日

 Napの考えること2022(その129)「柔軟体操」


2022年という響きもだいぶ馴染んできました。気づくと早、2月もあと1日ですね。年明けから何か気の利いたことを書けたらなとマゴマゴしてしていたら、今度はオミクロンの波がやってきました。


そして春の兆しを感じるこの時期、遠い異国で始まった戦争。世界中の人間が一つになって戦うべきはコロナだったはずなのに・・・。


たった一人の独裁者によってこうも簡単に世界は覆されてしまう。しかしその逆も然り、希望を持ち続けるしかありませんね。


白楽Napが入る世界長ビルの一階にはラーメン屋さんが開店ました。二階のインドカレー屋さんも少しずつ営業を始めたようです。同じビルに入るものとして嬉しく思います。


それにしても、人が集まることがむつかしいこの時代、何をするにも限定数でものを考えないといけませんから、頭の柔軟体操も必要ですね。その一助となるのが芸術全般ではないでしょうか。


僕は音楽が好きで、結果この仕事に繋がったのですが、奏でること、聴くこと、その二つの天秤の重さは時代によって変わってゆくのを感じます。いまは聴くことが一番楽しいので、この仕事は仕事冥利だなと思う今日この頃です。


さて、白楽Napの3月のお題は「Try Again」です。小さなことから、まずは目の前のできることから私たちもトライしていきます。


そして一人でも多くの方に音楽を楽しめる小さなハコとして認知してもらえるよう精進いたします。皆様もお元気でいてください! 3月もよろしくお願い申し上げます。

2022.2.27(sun) 白楽Nap代表 竹村龍彦


2021年12月30日木曜日

 Napの考えること2021(その128)「小さな種」


今年もあとわずかとなりました。皆様のおかげで無事、日吉から白楽への移転から一周年を迎えることができました。心より感謝申し上げます。


コロナのことやオミクロンのことはさておき、今こうして白楽という新しい場所で、また皆様と好きな音楽を共有できる空間がここにあることに感激している自分がいます。


もちろんこの一年間まともな運営ができない状況下ではありましたが、きっと「白楽Nap」は少しずつ成長しているはずと信じながら過ごして参りました。


箱の空間というのは、やはりステージでアーティストが演奏して、それを聴いてくださるお客様がいて、だんだんとその店の個性が形つくられていくものです。


これは日吉でお店を始めた頃も同じ感覚を持ちました。その意味ではまだまだ一年目の「白楽Nap」は、鉢に植えた小さな種に水をやりつつ、なんとか小さな芽が吹き出し始める時期とも言えます。


水はもちろんステージに立ってくれたアーティストや応援してくれるお客様です。その皆様のおかげで、ここ白楽では名も無い小さな種であった「Nap」もわずかながらでも根を少し張ることができたように思います。


来年の今頃、この小さな種はどんな花を咲かすのかをいまから楽しみにしつつ、新しい2022年を迎えたいと願います。


アーティストの皆様も新しい年には、更なる鮮やかさと艶やかさを纏う花弁を見せてくれることでしょう。期待しております。


今年もたくさんの応援やご支援を賜りました。改めて心よりお礼申し上げます。

皆様にとって2022年が素晴らしい年でありますように!!!

2021.12.30 白楽Nap 代表竹村龍彦


2021年11月6日土曜日

Napの考えること2021(その127)「断捨離とは」


やっとコロナ感染拡大が少しおさまりつつある日々となりました。しかし、まだまだ気持ちに落ち着きは取り戻せていないというのが実感です。


果たしてこの自粛期間に助走期間をつくれたか否か。まだまだこの先うまくコントロールするにはもう少し時間がかかるかもしれませんね。


きっと皆様もエスカレーターに乗るみたいに自然と動く気持ちと、一方、自分の足で動かさなければならないところを一生懸命探っているのではないか、と勝手に想像する次第です。僕もじっくりと自分の中の大切なものを見つめながら一歩一歩前に進みたいと思います。


さて、白楽Napは来月12月で移転から一周年(日吉Nap設立から数えると二十周年)となります。去年の今頃は日吉の解体と白楽の新規工事を同時に行いつつ、音響屋さんや防音工事のあれやこれやで怒涛の忙しさでした。今では懐かしく思い出されます。


そして当時、それは多くの皆様からの応援や激励のお言葉を賜りました。それら全てが僕らにとっての大きな心の支えとなりました。改めてここに感謝を申し上げたいと思います!


12月はほんのささやかではありますが記念品をご用意させていただきます。ぜひタイミングの合う方はこの機会にご出演いただければ幸いです。引き続きの感染予防にも留意しつつ営業しておりますので、お客様にも安心して足を運んでくださればと存じます。


さて、このコロナ渦の期間、僕も懸案の(?!)断捨離にチャレンジしてみました!


そこで最後まで悩んだのは、もう聞かないであろうCDや、もう読まないであろうと思える単行本でした。それと意外に場所をとっている音楽雑誌等々・・・。


で、結果どうなったかと申しますと、相も変わらず、CDや単行本、雑誌たちが椅子の周りを取り囲み、陣取っているのでした(苦笑)。


そこで一つ思い出した事がありました。


僕の亡き親父は大工の棟梁として予算の少ない施主のために知恵を働かせて仕事をしていたとその昔母から聞いたことがあります。


雪深い秋田の実家の一階の半分は親父のための広い作業場でした。そこにはたくさんの工具があって、のこぎり、かんな、金槌等々、様々な道具が所狭しと置いてありました。


いつも親父はそこにいて何かを探したり、磨いたり、工作したり、それが終わると自転車で遠くまで出かけるというような毎日が職人引退後の親父の生活だったようです。


やがて家を継いだ妹がその実家を立て直すとなった時、親父の持っていた多くの様々な道具も整理され、必要なものだけを残し、庭の隅に作った物置の端にちょこんと収められました。


それから数年経つ頃、親父は少しずつ物忘れが多くなり・・・という状況になった時、僕は妹にあの錆び付いた親父の道具類を整理したのは良くなかったのかな? と話したことを思い出します。


断捨離をしていて考えました。人はいらないものと必要なものを区別する際に一体何を基準にしたら良いのだろう? この問いが僕の頭を横切るたびに僕の片付け作業は何度も中断しました。


しかしそこで小さな結論が一つ。それは、もう聞かないであろうCD、もう読まないであろう単行本、これら捨てられなかったものは全て僕という人間に必要な生活風景の一部なのだ、ということでした。


そしてまた分かったことは、僕の断捨離はきっと半分だけしか達成できないだろう、ということ(苦笑)。別の言い方をするならば、僕が大事にしているものが何か、を知ることができました。


ここ白楽にNapが移転することで環境もだいぶ変わりました。コロナウィルスは様々なところに変化を求めている気がいたします。しかし大事にするものは何かをみつめる良い機会にもなりました。


皆様におきましても、コロナ、インフルエンザ、ただの風邪等々にも負けないようご自愛くださいませ。重ねてこれからも宜しくお願い申し上げます。


感謝を込めて。

2021.11/6  白楽Nap 代表竹村龍彦