2021年1月23日土曜日

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Napの考えること2004(#12-#16) 






2004年 12月 27日


Napの考えること(その16) 「三周年」



今年もあとわずかとなりました。お世話になりました。なんとかNapも3年目を迎えることができました。感謝いたします。

 

どうしても年末のこの時期はその一年を振り返ってああだこうだと考えがちになるものですが、最近そのように考えることを僕は止めようと思います。

 

それは、わずか一年ばかりで良かったかどうか判断のつかないことが年々多くなる気がしてきているからです。たぶん年齢のせいもあるでしょうか。

 

つい先日古い友人が店を訪ねてくれました。かなり昔にバンドで組んでいたミュージシャンで、彼は良い年のとり方をしてきたことが一見してすぐに分かりました。彼とバンドを組んでいる頃の僕はかなり自信過剰な人間でつまらないことでよく人を傷つけたものです。でもそんな自分でもそれはそれで通るべき道だったのかなと、昔ながらの穏やかな彼と話しをしながらなぜか考えたりしていました。


いやな出来事も良い事と同じくらい毎年あるけれど、結局のところ何もかもが自分にとっては何かしらの意味を見出すことが多い不思議を感じることが少なくないように思う今日この頃。もしかしたらもっともっと長い年月を経なければ本当の答えが見つからないことの方が多いのかもしれないなとも考えたりもします。


ひとつの区切りとしてのこの一年。そのぜんぶの積み重ねが決して必要以上に重くもなく軽くもなく、ただただ自分の中に自然と積み上がっていくものとして受け入れていけるのなら・・・。そんなイメージがなんだか今の僕には理想です。


来年が今年よりも平和でありますように。 







2004年 11月 21日


Napの考えること(その15) 「年明け」



なんとまあ今年この「考えること」はわずか3回しか更新していないではないか!これでいかに自分に余裕がなかった年であったことがわかりました。


年の初めにはなんとか自分のライブ活動もすこしは積極的にやったけど。その後はいつもながらの尻すぼみ・・・。まあこんなもんです。でも念願だったNapオムニバス盤は完成させることができました。ああメデタシメデタシ。 


あともう一ヶ月すこしで2005年です。新しい年が明けます。大事なのはこれまでどおり今を大切に生きることでしょうか。過去や未来を憂いていくら頭の中で悩んでみても幸せにはなれないってなもんで。


頭と体、そのふたつをいつも動かさないことには生きている実感がともなわない毎日になっちまいそうでコワイ。気をつけなくっちゃ、です。 前向きなのか後ろ向きなのかよく分からなくなる時もありますが、とりあえずあんまり高い目標を掲げすぎてみてもキリないし、斜にかまえてきどってみてもしょうがないし。もしかしたらかなり小さな世界に生きているのかもしれない、というかそうなんですけど


前にもちょっと書きましたけどこの時期はなんか気持ちがぶれていきそうで早く過ぎてほしいぜって気持ちになります。こんなときはいつも以上に冷静にならなくては。自分の心がこの冬の寒さに負けねえように、冷えねえようにって毎日念じ暮らしております(ウソです)。そんでもってできるだけ暖かい気持ちなんかも思い出しつつ。


よっしゃあ、なんとかこんな感じでいければ来年はもう少し自分に余裕をもてるかな、と思うのであります(ああ単純!)。  それにしても、この「考えること」の更新もせめて来年は6回くらいは・・・、ねえ!? それくれえはやっぱ必要だろ~と(反省中のわたしです)。


なんとかなるかなあ、いやあ、「なせばなる」って言葉もあることだし、大丈夫でしょう、たぶん・・・。 





2004年 10月 20日


Napの考えること(その14) 「原石」



日吉Napのオムニバスがやっと完成しました。いまどきライブハウス発信のオムニバスはめずらしくないと思いますが、このアルバムにはちょっと僕なりにこだわりがありました。そのひとつは、普段ここで聴いているライブの音をそのまま再現したいということです。このハコができてまもなく出演アーティストの方からオムニバス出さないんですか、と言うようなお話もあるにはありました。しかし自分の中でもっと心がきちんと動く段階まで待った方がいいだろう、というのが漠然とありました。そんなこんなでいつしかNapも2年目が過ぎ、新しい年である2004年も明けて間もない1月の中頃のことです。その、「自分のこころがきちんと動かされる」という機会がある日突然にやってきたのです。


そのアーティストはNapでも実力も才能も溢れたひとりとして誰もが認めるアーティストでした。その人からの電話でした。内容は、大切な自分のオリジナルを勝手に誰かがサイト上で公開していて困っている、というお話でした。僕は出来る限りのアドバイスをし、当人も相手にはっきりと迷惑を訴え、結果的に相手の方が盗作だということを素直に認めることでこの件は解決しました。しかしなんとも後味のよくない出来事でした。そこで僕はふと思い立ったのです。これまでNapで何百というライブに立ち会って心に迫るたくさんの音楽も体感した、そのうちの何曲かでも権利として守ることは意義があるだろう、と。


幸いにNapは音楽出版社としての業務も行っているので、すぐにコンセプトを考えてみました。そうです、オムニバス盤にして彼らの音楽を世の中にきちんと発表すればいいんだ、と。せっかちな僕は翌2月には簡単な企画書を幾人かのアーティストに送りオムニバスの参加を打診してみました。いま当時の企画内容を読んでみると、Napの通常ライブのスタイルそのままのテンションをCD化することがコンセプトです、と記しています。それはなんとか達成できたかなと思います。なにしろ力のあるアーティストばかりですから心配無用です。むしろアクシデントがあったのは機材の方でした。 


当初の企画では発売日を6月とし、すでに何人かのアーティストには3月早々にレコーディング日まで決めていました。ところが、録音機材であるアナログのMTRに不良が発生したのです。どうしてもアナログにこだわりたかった僕はアーティストに事情を伝え、レコーディングの日時を伸ばして機材を修理することにしました。発売日が遅れるのはもう、しょうがありません。そして業者になんとか特急で修理を請け負ってもらい2週間ほどでもどってきたその機材を見て驚きました。なんと不良部分は直っているのに別の箇所が破損していたのです。もう目の前真っ暗です。ご存じのように録音機材というものは非常にデリケートです。ただでさえ古い機材でしたから、もうこれは元どおりにならないな、と感じました。かくして僕はまたまたアーティストにレコーディングの延期を申し入れ、更に新たな方策を練るはめになったのです。


ところで皆さんもご経験があると思いますが、なぜか物事には必ずと言っていいほどアクシデントがつきまといます。よくTVで偉業を成した人のドキュメントでもそんなことの繰り返しが映されます。まあそんな偉い人と比べるのもどうかと思いますが、今回もご多聞にもれず・・・でした。さて、話は戻りますが、そんなこんなであたふたする状況での新たな機材の手配、それと並行して収録するアーティストのセレクション、デザイナーとの打ち合わせ、収録曲の選定等々。しかしどれもこれもが心わくわくする楽しい仕事です。そうそう、どういう基準でアーティストを選んだかといいますと。ご想像のとおりこれはかなり難しい。もう数えきれないほどのライブにこれまで接しているのですから。そして音楽は多様で多彩でパッションを感じるアーティストは数多い。その中から選ぶとなると思った以上に困難です。そこで僕がやったのはまず、今現在Napで演奏をしている人、定期的に出演している人、つまり自分がよくその人の音楽をその人の世界をまずは知って聴いて見ているアーティストを中心に思いつくだけ紙に書き出すことから始めました。そしてあとはいつもの直感ですすめることにしました。せっかく初のNapオムニバスなのだからまず出演者のすべてとは言わないけれど現在出演してくださっているアーティストの大方が納得するようなアーティストを選ぶこと、そして全体としての彩りがあること。できるなら一枚のアルバムとしてストーリーを感じさせるものにしたい、そんなことを頭に描き決めていきました。結果は果たしてどうでしょう。それは皆さんの評価に委ねたいと思います。


3月にはNod(ノド)としての自分のライブもNapだけではなく下北沢や四谷等で何本か決まっていました。その準備や練習もちょうど重なる時期でしたが多くの方の協力も得ることができ新しい録音機材がやってきました。これでなんとかレコーディングも開始できるというものです。それに今度の機材はデジタルではあるけれど実に音がフラットでかえってアナログよりリアルな音が録れることもテストしてみて判明しました。結果的にはアクシデントが幸いを呼んだわけです。しかしこれによって僕の考えがすこし変わりました。つまり、これならアナログのようなテープのコストも削減されるわけだし、集中的に決まった時間枠でレコーディングするというようなことはしなくてもいい、各アーティストの普段のライブをそのままぜんぶを録音しておいて、その中からベストなテイクを入れるやり方がいい、そう考え直したのです。まさにライブそのままのテンションというコンセプトどおりです。時間はそれによってかかるのは目に見えていましたがそれがベストだなと考えました。残念ながらこの変わってしまったことによって参加を見合わせたアーティストもいましたが、これですすめることで再度調整することに決めました。


アーティスト自身による自分のライブ評価というものはだいたいが辛いものです。ましてCDに収録するとなると余計力が入ってしまい、このテイクでいいのかと心配するアーティストもいます。僕はそのたびに言いました。ライブだけが持つ一瞬の輝きのようなテンション、それを収録したいんです、と。なかにはあえて何も知らせずにライブ録音をして、後日参加の打診をして了解を得たアーティストもいました。そうやって数ヶ月にわたる通常ライブからのレコーディングも少しずつ終えていき、やがて集まった音源はライブの臨場感が詰まった想像以上の出来でした。

 

音楽のすばらしさのひとつに、いつのまにか自分の心の奥底に眠っていた熱情を掘り起こしてくれる、ということがあると思います。このオムニバスに収録されたアーティストの歌にはそれぞれがこれまでに歩んできたであろう生の声が潜んでいるような気がします。技術や才能はもちろんですが一番大切なもの。「今」を生きていく、という決心のようなもの、そんな実感が彼らの歌には見え隠れします。毎月新しい新譜のCDがたくさん世に出ているわけですが、やはりライブで体感する音には特別なものがあります。喜び、悲しみ、ぬぐいきれないような孤独な気持ち、そんなこんなすべてをひっくるめて自分の歌で表現しようとまるで格闘するかのように歌い、弾き語るアーティスト達。僕はこのアルバムが完成していく現場に立ち会えたことを幸せに思っています。不思議なことに癒されるような思いもしました。横浜日吉にある小さなライブハウスで日々働きながら何度も何度も心奮える瞬間に立ちあったことも思い出します。このアルバムがこれからすこしでも多くの人々の耳に届くことをほんとうに心から念じています。祈っています。何かわからないけれど自分を本当に動かすものに出会える喜び、それをこれからも大切にしたいと切に思います。

 

最後に、ここでは詳しくは書けなかったけれど、それこそ思わぬアクシデントにもその飄々としたフットワークで見事乗り切り完成させてくれたデザイナーの田中世里香さん、感謝しています。ありがとうございました。そして今回参加してくださったアーティストの皆さん、すばらしいパフォーマンスこれからも期待しています。また、同じ空間を共有してくれたお客様に感謝します。そしていままでそしてこれからもNapのステージに立ってくれるすべてのミュージシャンの方々へ、これからもたくさんの皆さんの心の声(歌)を聴かせてください。そして一緒に末永く音楽を楽しみましょう(なんかの授賞式の挨拶みたいになってきたな・・・)。ではこの辺で。

                                         

  


2004年 07月 09日


Napの考えること(その13) 「チャンス」



自分で言うのもおかしいですが、ちょっとこの「考えること」の更新は遅すぎますね。スミマセン。だって前回が冬で、今はもう夏真っ盛り(でもねえか・・・)の7月1日ですもんね。でも地球の温暖化現象はもはや映画の世界だけと言い難いほどイヤな感じです。だって現実をみても毎年前年より前倒しの暑さになっているような気がするのはわたしだけでしょうか。と、いうことで(?)これからはもうすこしこまめに更新したいと思っています。いつか冬を夏が追い越してしまう前に・・・。

 

さてさて、いつのまにかNapも開店から約2年と半年ほどになりました。その間にいくつかのNapでも縁があったアーティストがメジャーデビューおよびインディーズデビューを果たしてきました。


いわばこの世界は博打のようなものだ、と言われていることは周知のとおりです。すべては時とタイミングと才能、そしてなによりもなによりも大切なものは信じるという強い意志と、忍耐力、そしてなによりもそして本人の絶え間ない努力のたまものなのです。さらにもうひとつ大きなものとして挙げるのなら、やはりひとりの人間としての良さ(誠実さ)だともよく云われます。つい先だってもたくさんのメジャ-アーティストを手がけてきたプロデューサーの口から出ていた言葉でもあります。


つまり、なんだかんだいって結局はどこの世界も人間と人間の信頼性の問題が大きく左右するものだということなのでしょう。そしてその言葉の裏には、ひとりよがりの音楽は人を掴むことはむつかしいという意味合いもも含まれているように感じました。


で、最後に一言。

 

チャンスというものはある日突然目の前に現れるものです。夢はあきらめない限り決して終わらないと云ったのは誰の言葉かはもう忘れましたが、真理だと思います。デビューが早いか遅いかで争うことは当然ナンセンスなことです。その人が世に出ていくそのタイミングは人それぞれ。音を楽しむことができなくなったらもうそれは「音楽」とはいえないのですから。むつかしいけどそういうスタンスで続けることで、いつか多くの人の目と耳に接することができたなら幸せですね。もちろん自分の信じた道を歩いてきたという実感を伴うことが大切ですが。 





2004年 02月 10日

Napの考えること(その12) 「年の瀬」



2004年が明け、もう一ヶ月があっという間に過ぎてしまいました。

時間の流れ方は人それぞれ違うと言いますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。


毎年、年の瀬を迎える時期になると「ヨッシャー来年は○○するぞ!」なんてわたしなんぞは懲りもせずほざいているんですが、これがこれが・・・、ご察しのとおりでございます。


でも、もうすっかり代表曲なんかも分かるようになってきたレギュラーの方や新しい顔のアーティストの方達が次々とまたNapのステージに立って歌っているその姿、その演奏を聴いているうちに、浮ついたこの気持ちが少しずつ少しずつ落ち着いてくるような不思議な感覚に今はとらわれています。何でしょうね、これって。別にむつかしく考えることではありませんけど。たぶん音楽の力であることは確かです。


さてさて。今年のわたしの目標は、もっともっとたくさんの人がライブに足を運んでもらえるようなハコづくりを目指す、です。今年はNapの知名度をもっと上げられるように精進します。(アーティストサイト上での相互リンクのご協力もいただけるととても嬉しいです!!)。


遅ればせながら皆々様、今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。 


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